最近、著作権に関するコンプライアンス対応をしっかりと行う企業も増えてきており、もっと著作権についての理解を深めたいと思っている方もいらっしゃると思います。
そこで、本稿では、著作権についての理解をより深めるためのコツをお伝えします。
普段の生活の中で、著作権に関する話題に触れることがあると思います。
そして、どちらかに焦点が当たっているかを考えたのち、もう一方の存在も意識することです。
例えば、「著作物を利用する人」に焦点が当たっているのであれば、もう一方の「著作権の権利を持っている人」の存在も意識することです。
著作権とは「著作物(絵や文章や音楽など)をつくった人」が持つ権利です。
そのため「著作物を利用する人」が持つ権利ではありません。
そして「著作物を利用する人」がコントロール出来る権利でもありません。
しかし、著作物を利用するということは、自然と、著作権の権利を持っている人の権利に関わる事を行なっていることになるので、お互いが全く無関係ということは、ほぼありません。
例えば、今年よく目にしたCMのひとつに、「違法だよ!あげるくん」というCMがあります。
これは、日本民間放送連盟が放送番組の違法配信撲滅を目的にして作成したCMです。
「捕まるよ。マジで」という有無を言わさないセリフが迫力のあるCMですが、
著作権の観点からは、「あげるくん」という「著作物を利用する人」のことを描いているCMです。
放送番組のリスクについて、ストレートにメッセージを投げ込む内容は、多くの視聴者に「軽い気持ちで違法配信してしまったらマズい」という意識を芽生えさせたのではないでしょうか。
また、同じようなCMとして、映画館でよく流れている「No More 映画泥棒」というものがあります。
これはよく映画館で流れているCMですが、これも「著作物を利用する人」に向けて、
映画館におけるの映画の撮影・録音は「10年以下の懲役、1000万円以下の罰金が課せられます」と警告している内容です。
これらは、ほんの一例ですが、著作権の話題はこのように、
「◯◯してはいけません」「◯◯に気をつけましょう」と著作物の利用者に焦点を当てたものが多いです。
著作物の保護という意味では、このようなメッセージを視聴者に受け取ってもらい、安易な著作物の配信や拡散にはリスクがあるという意識を持ってもらうことが重要だと思います。
著作権の理解をさらに深めるために、このようなコンテンツに触れた際に、もう一方の存在についても意識してみましょう。
例えば、あげるくんの違法配信は、なぜ駄目なのかというと、放送番組の著作権権利者の権利を侵しているからです。
つまり、あげるくんという放送番組の利用者の反対側には、放送番組の権利者がいます。
これは、「No More 映画泥棒」の場合も同じです。
著作物の利用者の反対側には、必ず著作権の権利者がいます。
もちろん、著作権が消滅した著作物も存在しますが、著作権の理解を深めるためには、そのような著作物であっても、元々は権利者が居たということを意識するのがいいと思います。
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そして、このように、著作物の利用者、著作物の権利者を意識した上で、以下のポイントについて考えてみると、著作権についての理解がより深まると思います。
※あげるくんのCMの場合、放送番組の違法配信は、主に公衆送信権と複製権の侵害になると考えられます。
※あげるくんのCMの場合、事前に放送番組の権利者に、配信について許可を貰ったうえで配信を行えば、違法配信にはなりません。
※あげるくんのCMの場合、あげるくんがインターネットに録画した番組をアップロードをせず、あくまで個人もしくは家庭に準ずる範囲内で視聴して楽しむだけでれば、著作権法第三十条に定められている権利制限(私的利用)に当たり、著作権法違反にはなりません。
もし著作権について、これから勉強したい、もうちょっと理解を深めたいと思っている方がいらっしゃいましたら、本稿で書いている通り、常に著作物の利用者と権利者、双方の存在を意識しながら著作権の話題に触れてみることおすすめします。
参考1:「放送番組の違法配信撲滅キャンペーン」違法だよ!あげるくん(https://www.j-ba.or.jp/ihoubokumetsu/index.html)
参考2:「映画盗撮防止キャンペーン」NO MORE 映画泥棒!(https://www.eigakan.org/legal/)
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