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著作物を利用するためには ~利用許諾と権利譲渡の手続き~

はじめに

著作権には様々な権利がありますが、どれも著作物を保護する目的で存在しています。
その権利の範囲内の行為で利用する場合、保護期間が終了しているか制限規定の除外に該当しない限り、利用許諾などの権利処理が必要です。

著作物の利用許諾について

著作物の著作権は、著作物を利用するためのライセンスが設定されている場合でも、著作権者(ライセンサー)に権利が帰属しています。
ライセンス例:Open Accessの文献や、フリー素材など

利用許諾を受けて利用する側(ライセンシー)は、申請時の範囲内で著作物の使用を認められますが、ライセンシー(利用許諾を受けた側)は、明示的に合意された場合を除き、第三者へ利用許諾を与えることや、著作物にライセンスを設定することはできません。

そして、第三者が著作物を利用し、著作権が侵害されても、ライセンシーは権利を主張することはできません。権利を主張できるのはライセンサーです。

Tip ライセンシー・ライセンサーとは?
許諾を貰って著作物を利用する側を「ライセンシー」と呼びます。
また、著作権を持ち、ライセンスを許諾する側(著作権者)を「ライセンサー」と呼びます。

許諾が必要かどうかの判断手順

著作物を利用する場合は,著作権者の許諾等が必要です。

許諾等が必要かどうかについては,次の手順にしたがって調べてください。

【許諾が必要かの判断手順】利用許諾等が必要かどうかについては、次の手順にしたがって調べる必要があります。①著作物に該当するか、②日本の著作権法で保護を受ける著作物に該当しないか③権利の目的とならない著作物に該当しないか④著作権(財産権)の保護期間内であるか⑤支分権の対象となるか⑥権利制限規定に非該当か。これらすべてに該当する場合、著作物の利用許諾が必要ですまた、全てに該当しない場合は利用許諾が不要です。

 

著作物の利用許諾と財産権の譲渡の簡単な違い

・財産権の譲渡について
財産権の譲渡により、譲受人は著作物の権利を得ます。
つまり、新たに権利を行使することができるようになるのです。
具体的には、自らが著作物を利用するだけでなく、著作権を第三者に譲渡したり、利用許諾(許可)を与えたりする ことも可能になります。
また、譲受人は著作権侵害者に対しても、禁止命令などを申し立てる権利を主張することができるようになります。
ただし、「著作権は、その全部又は一部を譲渡することができる」(第61条第1項)ため、著作権譲渡契約においては、著作権の譲渡する範囲を明確にする必要もあります。

・著作物の利用許諾について
著作権者は、著作物を利用することを第三者に許諾(許可)することができると前述しました。

利用許諾は、利用者が著作物の利用方法を申請書に明記し、権利者へ直接交渉して許諾を得ることが一般的です。
したがって、著作権譲渡の場合と同様に、許諾のための契約書、または申請書の取り交わしが必要になります。

Tip
著作権の許諾申請を代行業者が利用者に代わって交渉し、許諾を申請することも出来ます。
そこで、契約書または申請書を取り交わす場合に考慮すべき内容を以下に記載します。

利用許諾を申請する際のポイント

・利用予定の著作物の特定
利用許諾の交渉では、許諾対象となる著作物を示す必要があります。

・利用方法の明記
利用許諾契約は、通常、複製や転載に対して利用する許可を与えるものです。

・人格権(著作者人格権、実演家人格権)についての規定
著作者人格権やその他の適切な規定を明示する必要があります。
例えば、出典に関する規定がある場合は、利用する側であるライセンシーは必ず指示通りに出典を明記する必要があります。

利用する側であるライセンシーが第三者へ再度利用許諾を与えるには、契約書または申請書にその旨を規定しておくことが必要です。

・利用料の支払いについて
著作物の利用に対して、利用料の有無を明記することが必要です。
利用料が発生する場合、下記3点は必ず明記しましょう。

  1. 金額
  2. 支払い方法
  3. 支払い時期等の詳細(支払時期、金銭の受け渡し方法、税金の処理方法)

利用料の定め方

また、利用料の定め方には、主に、下記の2種類があります。

  1. 一定額を一括して支払う方法(定額方式)
  2. 採用した著作物の量に応じた報酬(ランニングロイヤリティ方式)

財産権の譲渡契約について

財産権が譲渡された場合、譲受人は著作権(財産権)を行使することができます。
さらに、譲受人は第三者へ著作物の利用許諾を出すことも可能です。

財産権を譲渡後は、類似した作品の制作が制限される可能性もありますので、財産権の譲渡には細心の注意が必要です。
このため、著作権(財産権)譲渡の際には、契約書を作成し、万一の事態に備えることが賢明です。

最後に

本コラムでは、著作物を利用するための基本となる知識について解説いたしました。
このテーマについて経験のない方にとっては馴染みが薄いかもしれませんが、著作権の利用許諾の申請は日常的に行われています。

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